腕立て伏せ(プッシュアップ)は
上半身を鍛える基本的種目です。
特に
胸や肩、上腕三頭筋を鍛える目的で
利用されベンチプレスとも
相関しています。
また
肩の健康目的であったり
アスリートの場合
肩甲骨を安定させる前鋸筋も働くので
おすすめの種目です。
腕立て伏せは
手や足の位置を変えることで
負荷の大きさや刺激される筋肉を
変えることができます。
5つの腕立て伏せのバリエーションが
どこの筋肉を刺激するのかを
調べてくれている研究があります。
(1)
それぞれの特徴を知っておけば
腕立て伏せの効果を
最大化できるかもしれません。
ダイアモンドプッシュアップが一番効果的だった件
この研究では5つの手の位置で腕立て伏せを行い
筋肉の活動をみています。
- 肩幅
- ワイド(肩幅の2倍)
- ナロウ(胸の下)
- 肩幅で肩の20cm前に置く
- 肩幅で肩の20cm後ろに置く
ナロウは胸の下で
親指と人差し指をつけるとあるので
ダイアモンドプッシュアップですね。
チェックした筋肉は
- 前鋸筋
- 三角筋前部○
- 脊柱起立筋
- 腹筋群
- 広背筋
- 上腕三頭筋○
- 大胸筋○
- 僧帽筋
- 上腕二頭筋
といった感じで
ズラ~とチェックしてます。
ベンチプレスと相関していて
ボディメイク目的で狙われるのが
○つけた3つです。
結果は
胸と上腕三頭筋を一番活性化したのは
ダイアモンドプッシュアップ(ナロウ)
だったのです。
ダイアモンドプッシュアップは
上腕三頭筋を狙うイメージはありましたが
大胸筋も効果的に刺激するのですね。
イメージでは
ワイドの方が胸に効きそうですが
実はワイドは肩幅の方が活性化してます。
胸を刺激するなら
- ナロウ
- 肩幅で肩の後方20cm
- 肩幅
- ワイド
- 肩幅で肩の前方20cm
このような順位になりました。
上腕三頭筋は
- ナロウ
- 肩幅で肩の前方20cm
- 肩幅で肩の後方20cm
- 肩幅
- ワイド
といった順番です。
ダイアモンド強し!
胸や腕を刺激する目的では
肩幅で物足りなくなったら
ダイアモンドプッシュを行いましょう。
では
他のバリエーションの特徴を
みていきます。
イメージに反して
あまり効果の無さそうなワイドでしたが
他に比べて一つだけ飛び抜けてました。
前鋸筋です。
肩の安定性に関与する前鋸筋は
機能面では上半身の中で
最も重要な筋肉といっても
過言ではありません。
前鋸筋を狙う場合
肩幅からのレベルアップとして
ワイドや肩の前方へ進めるといいでしょう。
肩幅で
肩の前方に置くバリエーションでは
前鋸筋や上腕三頭筋が刺激され
特に腹筋群が大きく活性化しました。
これは
腹筋のトレーニングの
コロコロ(アブローラ)みたいなもので
伸びないようにお腹が収縮しています。
体幹部へチャレンジするには
いいかもしれません。
他より特徴的だったのが
肩幅で肩の後方に置くバリエーションです。
- 三角筋前部
- 脊柱起立筋
- 僧帽筋
- 上腕二頭筋
他のバリエーションとは
少し変わった部位が活性化しました。
スードプッシュアップや
プランシェプッシュアップなどでは
特に三角筋前部や上腕二頭筋への刺激が
強くなります。
しかも胸の活動は
ナロウの次に大きくなってます。
プランシェプッシュアップは
最高峰のバリエーションですが
手を後方に置くバリエーションから
進めていくといいでしょう。
ちょっと
腕立て伏せを
やりたくなってきたでしょう?
- 胸や上腕三頭筋ならダイアモンド
- ワイドは前鋸筋
- 肩の前方は体幹部
- 肩の後方は様々な部位を刺激する
体一つあればできる
腕立て伏せ
普通にあきたら
色んなバリエーションに
チャレンジしてみてください。
以上
『腕立て伏せの効果を最大化しよう!プッシュアップバリエーション』
でした。
Yusuke Yamawaki(山脇 悠佑)
参考文献
(1)Marcolin G1, Petrone N1,2, Moro T1, Battaglia G1,3, Bianco A1,3, Paoli A1.
Selective Activation of Shoulder, Trunk, and Arm Muscles: A Comparative Analysis of Different Push-Up Variants.
J Athl Train. 2015 Nov;50(11):1126-32.
手や足の高さを調べた
腕立て伏せの前回記事もどうぞ↓